一生ものの教え。
飛行機好きだが、乗ると脱水症状になる。
なんでそんな体質になっちゃったのかしら。
24年前のこと。
結婚と相方の転勤が同時で、
妻仕事も主婦仕事も手探り中に、
母仕事もやることになった。
相方を朝送り出すと
家でひとりきりの昼間の生活、
つわりもキツいし、1995年の世は物騒だし、
やれやれだなぁと思っていたころ、
区の母親学級に召集された。
出産から赤ちゃんの扱いまで、
いろいろな話を聞いたのだが、
今も忘れられないのが、
離乳食講習の栄養士の先生の第一声だ。
好き嫌いは親の責任。
美味しいものを作れば、子どもはちゃんと食べる。
食べないということは、美味しくないから。
ピーマンもちゃんと加熱すれば甘くて美味しい。
加熱が不完全だと、美味しくないのは当たり前。
好き嫌いを作るのは、あなたたち親。
調理法1つで子どもの一生が決まるのだから、
美味しい離乳食を作りなさい。
お美しい先生だったのだけれど、
かなりキツめの口調で↑こんな感じのことを言われた。
ああ、赤ちゃんって離乳食になるんだったっけ?
そんな頼りない母たちに、
ビシッと気合いを入れるような先生のお言葉。
でも、確かにそうだ。
大人がマズいと思うものを、
赤ちゃんが食べる訳がない。
あの先生の言葉がずっと頭に残っていたのか、
結局、私は離乳食をほぼ、手作りした。
相方が会社近くの明治屋で、
せっせとガーバーの離乳食を買ってきていたが、
果物のピューレやジュースは使ったけど、
他は、そのまま棚の中で賞味期限が切れた。
近所のお肉屋さんのおじさんが、
「子どもさんには手羽でスープ作ってあげて。
離乳食に向いてるからね-。」
と、出汁の作り方を教えてくれた。
赤ちゃんを連れていると、こういうことがある。
身近な人の手を介しているというのは、いいな。
料理は得意ではなかったけど、
離乳食を作るのは楽しかったし、
いりこ出汁や昆布出汁の取り方も覚えて、
それ以来、ちゃんと現物で出汁を作るように。
料理の基本も体得することになったのは、
あの栄養士の先生のおかげだ。
たった一度の講習会だったけれど、
インパクトは絶大だった。
今は感謝しかない。
おかげで子どもは、好き嫌いが全くない。
と言いたいのだが、
実は甘いものは嫌い。
洋菓子は全くダメ。和菓子のみだ。
チョコレートとカスタードは特にダメ。
バニラエッセンスは気持ちが悪くなる。
あ、そういえばその栄養士の先生、
チョコレートとか飴とかは、
食べなくても支障がないもの。
そのうち勝手に食べるようになるだろうから、
無理に食べさせなくて良いです。
と言っていた。
別にそれを守った訳じゃないのだけれど、
相方も私も、甘いものは好きなのだけれど、
なーんで子どもは嫌いなのだろう?
あれ、ひょっとして、
それ系のオヤツを作らなかったから?
えーー?
ま、食べなくても支障はない。
甘いもの好きの友達と同調できないだけだ。
体格は申し分ない。
父親よりはるかに背が高い。
人は食べたのもで出来てる、ってことだ。